塩の摂取量を意識しても減塩商品が無ければ為す術がない!?

 

減塩商品への需要の拡大に対し、充分な品揃えがなされていないのが現状です。
今回の記事では、減塩商品の品揃え拡大と新規導入の必要性を取り上げます。
その中でも特にプライベートブランド(PB)商品に焦点を当て、
カテゴリー横断的なアプローチの必要性について探ります。

減塩商品の品揃え拡大と新規導入の必要性

減塩商品購買者の需要に対して充分な品揃えができていない現状を踏まえると、まずやるべきことがあります。
メーカーが商品化している減塩商品が複数あるにもかかわらず、
全くもしくはほとんど品揃えしていないカテゴリーがあったとしたら新規導入を検討してみることです。

また、導入可能な減塩商品自体が市場に少なすぎる場合やそもそも存在していないカテゴリーの場合は、
PBでの商品化も検討すべきと言えます。

しかし、PBでの商品化は容易ではないので、ボランタリーチェーン参加企業などで共有できるPBがあれば、
そこで開発を促すことも必要でしょう。

PB商品における減塩と健康志向の重要性

PB商品というとベンチマークしたNB商品との価格優位性を謳う商品が多いイメージがあるかもしれません。

しかし、今やセブンプレミアムに代表されるような、
価格ではなく独自のこだわりを打ち出したPB商品も主流のひとつとなっており、
有機栽培など健康志向を謳う商品も増えてきています。

高齢化が加速する日本では若い世代に減塩を推奨することで、
将来にわたって健康なシニアを増やしていく必要があります。
つまり、減塩のニーズが増加することはあっても減少することはないのです。
そのニーズを踏まえて、カテゴリー横断的に展開する減塩をキーとしたPB商品が誕生してもおかしくはないのではないでしょうか。

減塩の重要性とカテゴリー横断的なアプローチ

では何故そこまで減塩商品の品揃えについて考える必要があるのでしょうか。
その理由は健康志向における足し算と引き算では、引き算の方が圧倒的に難しくなるからです。
例えば、足し算の代表例であるタンパク質では目安の摂取量に向けて意識的に摂取すればコントロールすることはできます。
しかし、引き算の代表とも言える糖質と塩分の場合では、市販の食品を頻繁に口にする際、
いちいち糖質や塩分を除去することが出来ないということです。

特に塩分はやっかいです。
WHOや高血圧学会の塩分摂取量の推奨値と比べて高めに設定されている厚労省の値ですら、
下手すれば一食で越えてもおかしくないほどハードルが高いものです。
試しに市販の食品で食べた分の塩分量を、記載されている栄養成分表で計算してみるとすぐに実感が出来ると思います。

少し大げさな表現をすると、予め減塩された食品が品揃えされていない限り成す術がないということです。
つまり、一部のカテゴリーしかない減塩商品では到底足りる訳が無く、
品揃えにおけるカテゴリー横断的な発想が求められるということです。

日本人の1人当たり塩分摂取量推移と摂取推奨値
※厚生労働省の国民健康・栄養調査に基づき、筆者が作成

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本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。

出典:食品商業2024年1月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第33回」

データアナリスト紹介
清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任
掲載情報
こちらの記事は、食品商業1月号に掲載されています。
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