3分で読める! 「母子店方式」について
スーパーマーケットの経営において、効率的な商品供給体制の構築は重要な課題です。特に惣菜部門では、品質の維持やコスト管理が求められます。その中で採用される手法の一つに「母子店方式」があります。本記事では、母子店方式の概要、仕組み、メリット、そして惣菜部門における活用方法と課題について解説します。
母子店方式とは?
母店では、現状の設備を活用しながら最低限の設備投資を行い、子店で販売する惣菜を一括で製造します。製造された商品は、適切な温度管理や衛生管理のもと、迅速に子店へ配送されます。子店では、受け取った商品を店頭に並べ、販売を行います。この一連の流れにより、子店では製造コストをかけずに、商品を提供することができます。
母子店方式の仕組み
母店では、現状の設備を活用しながら最低限の設備投資を行い、子店で販売する惣菜を一括で製造します。製造された商品は、適切な温度管理や衛生管理のもと、迅速に子店へ配送されます。子店では、受け取った商品を店頭に並べ、販売を行います。この一連の流れにより、子店では製造コストをかけずに、商品を提供することができます。
母子店方式を採用するメリット
母子店方式を採用するメリットは、大きく4つあります。
1.コスト削減
製造コストを母店に集中することで、製造にかかる人員、設備のコストを削減することができます。また、母店でまとめて製造計画や発注を行えるため、各店舗で製造する際と比較して、製造ロスや材料ロスといったコストも最低限に抑えられます。
2.小規模店舗でも大規模店舗並みの品揃え
子店では、多くのメニューを少量ずつ製造する人員や時間をかけることは難しいため、様々なバリエーションの惣菜を提供するのは困難です。しかし、母子店方式では、母店でまとめて製造することで、大規模店と同等の品揃えを保ちながら、各店舗の規模に合わせた数量で販売することが可能になります。
3.小回りの利いた商品供給
センター供給では難しい、個店ごとの突発的な需要や、特定地域の店舗のみの需要に対して商品の製造が可能になります。近隣店舗で製造し、短時間で配送できるので、臨機応変な対応を実現できます。
センター供給との違い
外部で製造したものを店頭に並べるという点では、一見センター供給と違いが無いように見えるかもしれません。しかし、母子店方式とセンター供給では大きな違いがあります。店内調理と同等レベルの作りたて商品が提供できる点です。惣菜は当然、時間の経過とともに品質が低下していくので、大量に製造して配送まで時間がかかるセンター供給より、近くの母店で製造し、より短い時間で店頭に並ぶ母子店方式の方が出来立てに近い状態で提供することができます。
また、センター供給では難しい「地域ごとの個性」を出しやすくなります。母子店方式で母店近隣の店舗を複数まとめた母店グループをエリアごとに作るため、センターよりもきめ細かく地域の特色に対応することが可能です。
一方で、商品原価では、センター供給の方がスケールメリットが利くため、原価を抑えた製造が可能です。
どちらも利点はありますが、設備投資のコストを考えると小〜中規模の事業者には母子店方式の方が取り組みやすいと言えます。
母子店方式の課題と対策
一方で、母子店方式には以下のような課題も存在します。
配送コストの増加
母店から子店への配送には輸送費が発生するため、コストが増加する可能性があります。これに対して、配送ルートと配送頻度を最適化し、効率的なルート設定を行うことが求められます。それぞれの母店グループにあった最善の方法をとることで、母子店方式のメリットを最大化することが可能になります。
母店の負担増加
これに対応するためには、生産計画や設備を適切に管理、運用する必要があります。また、母店としての運用を想定していない調理場では、限られたスペースでの作業が強いられるため、最低限の調理場の改修や調理者の増員も検討する必要があります。
子店の競争力低下
子店が母店からの商品供給に依存しすぎると、独自の差別化が難しくなります。これを解決するために、個店ごとに地域のイベントや風習、客層に合わせた独自の惣菜を追加で提供するなどの工夫が求められます。地域限定の食材や特色あるメニューを取り入れることで、顧客のニーズに応じた柔軟な対応が可能となります。
まとめ
母子店方式は、スーパーマーケットの惣菜部門において、効率的な商品供給と品質管理を実現する有効な手法です。しかし、導入にあたっては、物流コストや母店の負担増加などの課題を十分に検討し、適切な対策を講じることが求められます。各店舗の特性や地域のニーズを踏まえ、最適な運営体制を構築することが成功の鍵となります。
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