消費者の選択はこう変わった!コロナ禍後の生鮮食品トレンド分析

近年、小売業界で取り扱う生鮮食品のトレンドに変化が見られています。
今回のブログでは、過去33年間の家計支出額のデータを基に、生鮮食品のトレンドを分析していきます。
消費者のニーズを把握し、売上向上に繋がる効果的な商品展開を考えていきましょう!

上昇が期待される野菜と下げどまりに転じる果物

図表D  野菜の支出額

こちらの図表Dをみてみましょう。青果物の野菜では、2013年以降、下降気味だったトレンドが再び上昇し、33年間で緩やかなU字を描いています。
コロナ禍後の2023年もダウン傾向は見られないため、今後は上昇トレンドにつながることが期待されます。

※ 家計支出額について、1991年から33年間の時系列データ(2人以上世帯)を使用しています。

図表E 果物の支出額

また果物については33年間の時系列で見たトレンドはずっと下降傾向が続いてきましたが、2011年以降下げ止まりに転じ、現状維持の傾向に変化しています。
コロナ禍最中での大きな変化はありませんでしたが、コロナ禍後の支出額は微増しています。

鮮魚の低迷と生鮮肉の顕著な上昇

図表F 鮮魚の支出額

鮮魚も同期間の時系列で、ほぼ果物と同じような動きを示しています。
魚離れと言われて久しい中、直近の10年強の低迷から抜け出すような目立った変化は、コロナ禍の期間も、コロナ禍後も見られません。

 

図表G 生鮮肉の支出額

生鮮3部門の中で、トレンドが大きく変化したのは図表Gに示された生鮮肉だけです。とりわけ豚肉と鶏肉は著しく変化がありました。

図表H 豚肉の支出額

図表I 鶏肉の支出額

図表H・Iに示されたように、豚肉と鶏肉は、33年間の時系列推移において、右肩上がりの傾向が共通しており、コロナ禍の3年間は、共に過去にない伸びを示しています。
コロナ禍後もその勢いに陰りはなく、さらに伸びを見せています。

牛肉の変動と消費者の選択要因

牛肉については、2001年まで下降トレンドが続き、それ以降は下げ止まりとなっています。
2019年まではその状態がずっと続いていますが、コロナ禍の3年間は、そのトレンドを超える伸びを示しています。
しかしコロナ禍後は、コロナ禍前の実績に近付いています。
最近では世界的にも牛肉離れが指摘されていますが、それを裏付けるような牛肉の動きは、課題の大きさを物語っているようです。
コロナ禍前後の肉と魚における異なった動きとなった要因は、料理する際の手間の違い、残飯の処理、ファミリーで食べる際の人気メニューの選択肢の豊富さ、価格の問題等々、さまざまあると推測されますが、大きくは簡便性、手間いらずを求める人が多い時代を反映して、肉に軍配が上がっているものと思われます。

 

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本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。

出典:食品商業2024年2月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第34回」

データアナリスト紹介
清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任
掲載情報
こちらの記事は、食品商業5月号に掲載されています。
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