さまざまな食用油の違いと種類
今回は食用油のカテゴリーに焦点を当てていきます。
近年、健康志向の高まりとともに食用油の多様性も増し、商品選びが難しくなっています。
買い手側に違いが伝わらないことによる機会ロスを避けるためにも、
今回の記事では、食用油の種類や特性からそれに基づく訴求のポイントを考えていきます。
主要な食用油の特徴と用途
はじめに、主要な食用油ごとの違いについて見ていきます。
最も一般的なサラダ油は主になたね油や大豆油等をブレンドした調合油が多く、価格は最も安価です。
サラダ油はコレステロールゼロをうたうものが大半ですが、その中でもよりヘルシーなものとしてビタミンE、オレイン酸を多く含む、キャノーラ油があります。サラダ油に次いで安価なため、油を多く使う揚げ物によく利用されています。
次に、焙煎されたごま油は香りの良さが特徴で、オレイン酸、セサミン、セレンなどの体にいい成分を含んでいます。焙煎していないものは太白ごま油と呼ばれ、特有の香りはなく無色のため広い用途で使用されています。
また、焙煎せずとも香りの良いのがオリーブオイルで、オレイン酸を多く含む代表的な食用油です。
価格がより高価なエキストラバージンは香りが特に強く、オリーブを絞っただけで精製せず、酸度と官能検査の基準をクリアしたものに限られます。
以上の4種が、多くの家庭で常備されている食用油です。
健康志向の食用油
それ以外の食用油は、いずれも健康への効能を謳う商品に人気が集中しているようです。
消化吸収が早く、素早くエネルギーになり、体に脂肪もつきにくい中鎖脂肪酸(MCT)を多く含むものとして着目されているのは、MCTオイルとココナッツオイルです。価格はお高めですが、糖質の代替エネルギー源として、特にダイエットに関心が高い人に人気があります。
MCTオイルは加熱調理には不向きですが、中鎖脂肪酸は100%で、
ココナッツオイルは中鎖脂肪酸が60%ですが、加熱調理が可能という違いがあります。
最後に、米油とべに花油、グレープシードオイルの特徴です。
米油玄米から精製するため、玄米由来のヘルシーな成分(スーパービタミンEやオレイン酸、γオリザノール等)が豊富です。
べに花油には、リノール酸、または、オレイン酸が豊富なものの2つのタイプがあります。
リノール酸は過剰摂取傾向との見方もあることから、オレイン酸が豊富なタイプが主流となっています。
グレープシードオイルは、抗酸化物質のポリフェノール、ビタミンEが豊富な上、サラサラで無味無臭、使いやすい食用油として人気です。
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本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。
出典:食品商業2024年2月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第34回」
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