Amazonは従業員とロボット同数導入!?海外でのAIとIoTの活用事例についてVol.2
今回は、海外でのAIやIoTの導入がどれだけ進み、どういった活用をされているのかを解説してもらいました。物流、コミュニケーション、購買チャネルと三つの観点から、海外での活用事例をデータコム株式会社 取締役経営推進部部長の小野寺裕貴が語ります!
こちらの記事は続編となりますので、Vol.1を閲覧前の方は下記よりご覧ください!
Amazonは従業員とロボットを同数導入
物流に関して、海外でのAIやIoTの活用事例を教えてください。
まずは「Amazon」。ヨーロッパではイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、スウェーデン、ベルギー、ポーランドに進出しています。進出国内への物流を網羅すべく、ヨーロッパ圏内のフルフィルメントセンターは70カ所あり、物流拠点は250カ所あります。
各拠点でロボットを採用しており、その数はなんと75万台。これは、従業員数と同じ数です。なぜこれだけのロボットを採用するかというと、人為的ミスによる事故の発生や、それにより出勤できない従業員がいたため。
ロボット導入前の18年比で見ると、ロボットの導入により事故発生率が24%改善され、従業員の休業時間は30%も削減されました。
また、オランダでは大手企業が連携し、AIの共同研究が進んでいます。スーパーマーケット(SM)を展開する企業や航空会社、金融機関、鉄道会社と、業界横断的にスタートしました。これは「kickstartAI(キックスタートAI)」プログラムと名付けられ、各社から人材を集結、SMのデータを基にフードロス解決のために需要予測を追求するという取り組みです。
同プログラムでは、予測精度26%向上、フードロス21%削減という結果が得られています。業界横断で取り組むことで、今後はフードロス問題のみならず、さまざまな社会問題へと取り組んでいくようです。
その他の事例は?
中国のEC大手企業である京東(ジンドン)の傘下であるOchama(オチャマ)社が、22年にオランダに出店したのが、ピックアップ専用の無人店舗です。
倉庫一体型店舗モデルの受け取り専門店舗であり、顧客がアプリで商品を注文し店舗に行くと、アームやコンベアによって人を介さず顧客の手元に商品が届くという仕組みです。
現在の消費者は人を介した問題解決が苦手
コミュニケーション分野のAI、IoTの活用についてはいかがでしょう。
アメリカの調査によれば、消費者の68%以上が「チャットボットなどを介して悩みを迅速に解決できると、ブランドロイヤリティが向上する」と答えています。また、18〜24歳の消費者の60%が「商品検索において人間との会話よりも、チャットボットとの会話を好む」と回答。
つまりアメリカの消費者は、買物において自動対話を好む傾向が強いということを示しています。
消費者行動に応えるよう、生成AIによる顧客の課題解決が進んでいるのでしょうか?
そうですね。ヨーロッパを拠点に、アパレル商品を取り扱うウェブサイトおよびアプリ「Zalando(ザランド)」では、ChatGPTの技術を用いた検索方法を採用しています。
例えば、チャット上に「5月にバルセロナで出張に行くときの服がほしい」と入力すると、該当する衣服が出てきます。Z世代の「自分に合った衣服を簡単に探したい」というニーズが強まることを受けた対応です。
ヨーロッパ最大のSMチェーン「Carrefour(カルフール)」では、データを最大限活用し、顧客に適した商品提案を行っています。
同チェーンでは、オン/オフライン合わせて30億件のトランザクションデータを保有しています。そのデータから、顧客を普段の買物をサクッと終わらせたい「ルーティン購買タイプ」と、新しいかつ自分に適した商品と出会いたい「インスピレーション購買タイプ」に分類されます。
前者は、3回目以降のショッピングから、70%の購買商品が予測可能となったため、簡便な商品検索やレコメンドの最適化により、買物時間を40%削減することに成功しました。
一方で後者は、選択商品に基づき、同カテゴリー内で最も安い商品や健康的な商品などを推奨することで、必要な商品が25%安く買える、より健康的な商品を求めて30%が商品を切り替えたという結果が出ています。
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