特徴的な傾向の商品が手薄な世代を集客するヒントに
今回はカップラーメンを事例に全体の傾向とは違った
特徴的な年代別支持率の傾向を示す商品に注目します。
若い世代に支持されやすい商品、シニア世代に支持される商品と様々ありますが、
幅広い年代層をカバーする上でそれらの商品がどのような影響をもたらすのでしょうか。
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カップラーメンから見る年代別支持率
PB商品とNB商品は異なる年代から支持されるため、
それらの商品が集まることで各カテゴリー毎に全年代からの支持を得られると考えられます。
その状態が小売りとメーカーが理想とするところでしょう。
その点についてカップ麺を事例に説明していきます。
図表①のカップ麺メーカー10社の各社全商品の平均値を取った年代別支持率を見ると、
各社とも60代以上のシニア層の支持が低く、より若い世代に高く支持されていることが分かります。
基本、お湯を注ぐだけの簡便食品という特徴を考えると、
若い世代に支持されている事は想定内とも言えます。
※本記事は社別の優劣を評価するものではなく、あくまで図表の捉え方を説明するものです。
激辛商品と小容量商品が表す極端な傾向
10社の中でも特にJ社に目を向けると、顕著に若い世代の支持率が高いことが分かります。
実は、J社は激辛麺で人気の海外メーカーであり、データ自体も激辛商品に限られています。
図表②にあるように他社の激辛タイプの商品を見てもほとんどの商品が、似たような支持率の傾向を見せています。
また、大盛や白湯・豚骨スープ系の商品も激辛タイプと同じ傾向を示しているので、
単純にこれらの系統の商品を増やせば若い世代からの支持が上がるということになります。
その逆を考えてみましょう。
このような商品と反対の傾向を見せていたのが、各社の小容量の商品です。
図表③からもカップ麺に限らず、他のカテゴリーでも小容量の商品はシニアから支持されていることが分かります。
今後も長くシニアの割合増加が予測される中で、このグラフは商品の適量を再考する材料にもできます。
全体の傾向と異なる商品が示す可能性
各社ごとに取扱商品の年代別支持率をグラフ化した際に、
全体の傾向とは異なる商品に目を向けることで、それらの商品に共通する特性の発見に繋がる可能性が高くなります。
その特性が自社の手薄な年代層を取り込むキーになる可能性もあります。
一方で、カテゴリーやメーカーごとに商品の傾向が全体的に偏っているからこそ、
反対の特徴を示す商品が散見されるとも言えます。
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データアナリスト紹介
清原和明
1981年ダイエー入社。95年西明石店店長、98年九州SM営業本部北福岡ゾーンマネジャー、99年九州SM営業本部エリアマネジャー、2001年営業企画本部FSP推進部長、05年近畿販売本部営業部長に就任。08年消費経済研究所に出向し、常務取締役マーケティング担当就任。その後、ダイエー関東営業本部営業部長を経て、12年データコム分析推進室室長就任
こちらの記事は、食品商業10月号に掲載されています。
本記事は、スーパーマーケット専門情報誌「食品商業」にて弊社分析推進室の清原和明が連載しているものであり、株式会社アール・アイ・シー社の承認の上掲載しています。
出典:食品商業2023年10月号「200万人の顧客データが語る「こうすればもっと売れる!」第30回」
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